建前に見える伝統工法〜雇い 臍車知栓継ぎ(やといほぞしゃちせんつぎ)〜
3本松の大きな梁のある家 藤枝市I様邸
藤枝市I様邸の建前で伝統工法が盛りだくさん!
今回は、「雇い 臍車知栓継ぎ(やといほぞしゃちせんつぎ)」をご紹介します。
「雇い 臍車知栓継ぎ」とは
2つの部材の上端に取り付けて、部材どうしを引き付けるために使われます。
そのため、別名は「引きどっこ」と呼ばれています。
十分な長さの木材がない場合、長さを出すために材と材を繋ぎ合わす目的の部材です。
使用目的は継手と同じですが、材の大きさや強度、組み立て場所によって、
継手のように材本体同士を繋ぎ合わせるのか、車知栓を使い繋ぎ合わせるのか変わってきます。
その判断は、経験豊かな大工さんの目利きによって決められます。
▲滝尾大工が車知栓を組み入れる、臍穴(ほぞあな)を調節しています。
▼雇い臍車知栓を組み入れていきます。
▼組み入れた雇い臍車知栓に、長さを出すための材を繋ぎ合わせます。
▲ピッタリ!
雇い臍車知栓継ぎは、言うならばボルト代わりです。
こちらも金具をいっさい使わない伝統工法の一つになります。
金具は緩みますが、木の栓は一生引き続けます。
1000年以上立ち続けている頑丈な建物もこの工法が使われているとのこと。
木は生きもの。
伸縮しながら構造をより強くしてくれます。
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ではまた、ご報告いたします。