Have a
good life
イシモクの住まいの特徴
人が心地よく快適に過ごすために必要なのは、「心地よい湿度と温度差のない」環境です。

無垢材などでつくられる自然素材の木の家は、調湿効果に優れています。神社・仏閣が1000年以上も残っているように、その土地の木材や土、ワラで作られた建物は耐久性があります。しかし、現在は外国からの輸入材や接着剤を使用した集成材や合板などが多く使われるようになりました。呼吸できない素材を使用した木の家は結露により、見えない部分が傷み、腐り、弱ってしまいます。そのため、イシモクでは内部結露を防ぐために、木の家に合う断熱材『セルローズファイバー』を使っています。

断熱材のはたらき

断熱材とは、建物の壁と壁、柱と柱の間に入れて外気温を室内に伝わりにくくするためのものです。断熱性能が優れた良い家では、外部の環境に関係無く、冷暖房の力をほとんど借りずに、家の中の全ての場所を一定の温度と湿度に保つことができます。

断熱材には、セルローズファイバー、グラスウール、ロックウール、現場発泡系ウレタンフォーム、羊毛断熱材、フェノールフォーム、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)、発泡スチロール(ビーズ法ポリスチレンフォーム EPS)、硬質ウレタンフォーム(板状)など、いろいろな種類があり、断熱材の素材によって、性能は大きく変わります。

セルローズファイバーとは?

セルローズファイバーは、新聞古紙を主原料に、防熱・撥水性能を付加した天然の木質繊維断熱材です。木質繊維を裁断し、撹拌し、ふわふわの綿状にして空気を蓄えるようにしています。天然繊維であるセルローズファイバーは無機繊維より優れているところがたくさんあります。その一つに、自然が作った小さな空気の粒にあります。
繊維の一本一本の繊維の中に自然の空気胞があり、それらの繊維が絡み合って、空気の層をつくります。この空気胞により、一層熱や音を伝えにくくします。

セルローズファイバー
6
つの
特性
  • 01
    断熱性

    1本1本の繊維の中に、もともとある空気胞と繊維の絡み合いによる気泡との二重の空気の壁を持っているため、他の断熱材に比べて熱伝導率が小さく、しかも隙間なく敷き詰められるので、高い断熱効果 を発揮します。
    天井のみセルローズファイバーを使用したとしても、暖房費用を20%も節約できます。
    「暖房にしてもなかなか温まらない」「冷房が効きにくい」など、そんな悩みも、セルローズファイバーなら解決できます。

  • 02
    結露防止・調湿効果

    日本の住宅の寿命は約30年ほどと言われています。 その主な原因は結露です。結露は窓に付着する水滴などの目に見えるものの他に、壁の内部に発生するものがあり、気づかないうちに構造体を腐らせてしまいます。カビやダニも発生しやすくなるため、健康にも悪影響を及ぼします。セルローズファイバーは、周囲の状態に応じて、水分を吸ったり吐いたりしています。この吸放湿性が適度な湿度をもたらし、結露を防止します。外気の湿度が高いときには湿気を吸い取り、乾燥しているときは蓄えた湿気を徐々に吐き出すという、生きている繊維ならではの防露効果 を発揮しますので、部屋の中はいつも快適な湿度に保たれます。また、壁中に密に充填施工するので、内部結露が発生しません。

  • 03
    防火性

    セルローズファイバーは、ホウ素系の薬品によって防燃処理された国土交通大臣認定の準不燃材料です。1,000℃の炎にも表面 が焦げるだけで、燃え広がりません。万が一火災が発生しても、延焼を防ぎ、有毒ガスも発生しません。(写真:セルローズファイバーを手で丸めてバーナーで直火に当てた様子)

  • 04
    防音

    セルローズファイバーのような繊維質に音が入ると、繊維同士が激しく摩擦を起こし、音の振動エネルギーが(摩擦)熱エネルギーに変換されます。このような現象の結果、吸音という効果が生まれます。音を遮る(遮音)ためには、壁の重量をもって振動そのものを伝えないようにすることが必要です。セルローズファイバーは、1㎡につき約7kgもの圧力で施工されるため、壁(外壁・間仕切壁)1枚でもかなりの重量になります。 このため、セルローズファイバーは吸音にも遮音にも効果を発揮します。

  • 05
    防虫・防カビ

    セルローズファイバーの特性として調湿性能がありますが、これ以外に、ホウ素系薬品を添加することで得られる性能の一つに「防虫性能」があります。セルローズファイバーには、ホウ酸団子や目薬の成分として用いられている「ホウ酸」が添加されており、ゴキブリやシロアリを寄せ付けません(殺虫成分ではないので、人体には無害です)。

    ホウ素系薬品による特殊処理と天然素材がもつ吸放湿性の効果でカビや菌の発生を防止。

    薬品処理と、天然素材が持つ吸放湿性のダブル効果で、カビをシャットアウト。押入れの中の嫌な匂いの発生を防ぎ、布団が湿っぽくなったりという心配もありません。

  • 06
    エコロジー

    セルローズファイバーは、主原料となる新聞紙や段ボール紙はリサイクル材であるため、資源の採取での CO2排出量は極僅かで、 紙のリサイクルはエネルギーの消費が削減されるばかりではなく、地球資源の延命にも寄与し、地球環境の保全に繋がります。また、製造時は、工場では水や火を使わず電気のみで生産しており、製造エネルギーも他の断熱材に比べ非常に少ないものとなっています。

    使用時(断熱材として)の CO2排出量はゼロであり、その断熱性能により、冷暖房エネルギーを削減する事ができます。処分やリサイクルのしやすさという特長もあります。

天然乾燥の木の家は、人に環境にやさしい。

昔から家造りには、地元の木、自分の山の木など、身近な自然素材を活用してきました。木が本来持つ力を発揮し、家の材として長く役目を果たすためには、その土地の気候で育った、風土に見合う木を使う事が大切だと、先人は経験の中で知っていました。

イシモクは、材木業を営む石川木材が運営しています。地元材である天竜杉の良さを知り、木の特性から樹齢70年以上の木にこだわり、昔ながらの天然乾燥で材を作ってきました。

近年の住宅用木材の殆どは、機械で乾燥させる人工乾燥材で作られています。乾燥時間が早く表面の割れもなく、コストも抑えることができるので、多くの住宅で使われていますが、内部が割れたり、耐久性・耐蟻性に有効な成分を含む油分が抜けるなどのデメリットもあります。

イシモクで行う天然乾燥は、太陽や風などの力で乾かすため、人工乾燥に比べ、時間や手間がかかります。しかし、時間をかけ乾燥させると、水分だけが抜け油分が残るので、うつくしい艶、木、本来の色や香りが損なわれません。

天然乾燥により、カビなどが生じにくい、腐食・害虫に強い、狂いが生じにくい、良質な木材をてまひまかけて作っています。

天然乾燥
  • 乾燥時間
    1年ほど
  • 乾燥方法
    「太陽・雨・風」のめぐみを利用
  • 含水率
    20%前後
特徴
  • ・木材本来の香りや色艶が残る
  • ・粘りがあり、曲げに強い
  • ・木の力が発揮できる
  • ・表面に割れが生じる
  • ・防虫・消臭効果がある成分が残る
  • ・若干の収縮がある
人工乾燥
  • 乾燥時間
    1~2週間ほど
  • 乾燥方法
    科学燃料を使用する
  • 含水率
    調整できる
特徴
  • ・木の動きが出にくく、品質の均一化できる
  • ・色艶、香りがなくなる
  • ・表面に割れは出ないが、内部割れをする
  • ・細胞が破壊されるため、粘りが出ない
天然乾燥
5
つの
プロセス
  • 01
    伐採

    野菜や果物には旬があるように、木にも旬(伐採する時期)があります。木を伐採するのに適した季節は、寒くなるころから暖かくなるまで。

    木は、冬の凍結から身を守る為に、秋ごろから水を吸い上げなくなり、木が成長する春から夏にかけては、水や栄養を吸い上げます。その時期に伐採をすると、水分、でんぷんの含有量が多いため、腐朽菌が発生しやすく、カビが生えたり、虫が入りやすくなります。そのため、冬場に伐採するのです。自然の流れに逆らわず、旬を選んで切った木は、色艶が良く、素直な材になります。

  • 02
    丸太選び

    伐採された丸太は土場へと運ばれます。

    良い製品を作るためには、より良い丸太の入手が不可欠です。運ばれてきた丸太の中から、形や長さ、曲がりや反り、年輪幅、腐り、アテなどを見て、用途に合う材が取れるものを選びます。

    まだ製材されていない丸太を見て選ぶため、長年の知識と確かな目が必要です。

  • 03
    製材

    土場から工場に丸太が到着。目的に合わせ、丸太を用途別に製材します。原木を製材する時には、1本の丸太をできるだけ無駄が出ないように、また木の性質をよく判断して、その木材に最も適した材を得るように"木取り"をします。
    1本1本の木目やアテ、曲がりを読み、節をさけたりと修正をしていかなければならず、知識と経験、技が必要な工程です。

  • 04
    自然乾燥

    従来は製材後、短期間で出荷していた木材を、熟成庫で十分保管する事により、ひび割れ・狂いが少なくなり、製品の品質が向上し、安定した製品の供給が可能となりました。

    製材した材を屋外に桟積みし、「雨・風・太陽」の恵みを受け、約3ヶ月ほど置き、ゆっくりと乾燥させます。その後は、屋根のある場所に保管し、乾燥・熟成させながら、出荷を待ちます。

    自然乾燥は、木に任せての乾燥。ストレスを与えないため、素直でおだやか、ねじれが少ない材になります。

  • 05
    家造りの現場へ

    長い時間をかけて水分を飛ばし乾燥するため、木が収縮します。曲がりやそりが出ることを考慮し、あらかじめ6ミリ大きく製材しています。仕様寸法に合わせてモルダー掛けを行います。また必要、要望に応じてプレナー(カンナ)仕上げ、抜け節埋め木加工、実(さね)加工を施します。
    その後傷がつかないように梱包し、家造りの現場へと運びます。

本物の素材ならではの質感と力

無垢の床はもちろん、天井や壁などの内装にも「毎日が田舎暮らし」を感じる、見た目にもからだにも優しい自然素材を採用しています。
自然素材の良さは、経年美、時間とともに味わいが増すところです。その風合いや香りは本物ならでは。
ご予算やご希望に合わせて様々な自然素材を組み合わせてご提案します。

  • 漆喰

    漆喰は、内装外装の仕上げに使う左官材料です。硝石灰にのり、すさなどを混ぜて水で練り合わせたものです。湿度を調整する効果、消臭効果に優れていると言われ、化学物質を吸収・分解・除去する作用が期待できる、人に優しい素材です。

  • 珪藻土

    珪藻土とは、「珪藻(けいそう)」という藻の殻が海底や湖底に堆積して化石化したものです。
    とても小さな細孔を無数に持っていて、湿度が高い時は、水分を吸い、乾燥しているときには、水分を吐きだす調湿効果を半永久的に行います。また、脱臭、断熱効果、防火性能もあるという、働き者の素材です。

  • 土佐和紙

    土佐和紙は1000年の歴史を誇る伝統工芸品で、その独特の風合いだけでなく、機能面においても優れた性質を持っています。それらは植物繊維ならではの性質や、繊維の絡み方による表面の凹凸から生み出されるものです。
    湿度を調整し、保温効果、吸音効果があり、他の自然素材と同じように、年月とともに味わいが出る素材です。

  • 御影石(基礎パッキン)

    御影石は本来、花崗岩と呼ばれるもので、色は白っぽく、磨くと光沢が出ます。地中のマグマが強大な圧力の中でゆっくり冷え固まり、何万年という時間をかけて形成されたものです。

    安山岩や砂岩、大理石などと違って硬く水に強く、なおかつ一般的に使われる樹脂やプラスティック・ゴム製のパッキンと比べ、天然石なので風化に強い特徴を持っています。

  • ウッドロング・エコ(木材防護保持剤)

    ウッドロング・エコは、北欧できこり達に代々伝承されてきた、ハーブ・樹脂・鉱物など、100%天然素材でできています。土壌汚染・水質汚染のない『木材防護保持剤』です。
    一度の使用で効果があり、素手で作業しても安心、環境にも人にも優しい製品です。

木の性質、良さを知る大工職人

昔ながらの伝統工法の建造物は、今でも風合いを増しながら残り続け、新しい技術・新しい建材で建てられた住まいがわずか20年、30年で壊されています。
無垢材など自然素材を使った家造りをするイシモクでは、木の性質を知り、木の良さを活かす家づくりにこだわり、熟練の棟梁たちによる家づくりを行っています。
手間暇かけて家を造り、永く住み継がれる家づくりを目指しています。

  • 木選び

    木は、その生育場所によって特徴があります。日当たりのいい山の南側に立つ木は成長が早く、日当たりの悪い北側に立つ木は成長が遅くなります。
    南側に立つ木は育ちはいいですが曲がりやすくなります。北側の木は、ゆっくり成長するため真っ直ぐ伸びて狂いが少ないと言われています。谷に生えている木は水に強く、山の傾斜地で曲がって育った木の根っこ部分は、曲げに対する強度が強いので梁などの力がかかる部分に向いています。また、木には節がありますが、節が多いところは壁に隠して配置することで美観のUP、材料費の節約にもなります。そうした木のクセや個性を見極めて、適材適所に配置するように木を選んでいきます。これは、熟練した大工でなければできない作業です。

  • 墨付け・手刻み

    大工はその墨を頼りに木を刻んでいく(手刻み)ので、失敗はできません。墨付けは、神経を集中させる大仕事です。この手刻みは、目利き腕利きの大工だからこそできる日本古来の伝統的な技術です。墨付けされた材を、1本1本のこぎりや鉋やノミを使い加工していくため、「継手」など、プレカット(機械加工)ではマネできない、複雑な加工が可能です。手刻みを続けていくことは、失われつつある大工の技術の継承にも繋がります。
    大工が木の癖や、節を見ながら一本一本加工(手刻み)することで、綺麗な木ばかり使うのではなく、一般的な材でワンランク上の構造をつくることが可能になります。