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good life

木育・自然と暮らし 2026.04.30

木の香りに包まれると、時間はどう変わるのか

最近、「木の香りが時間の感じ方に影響するという興味深い研究が進んでいます。

なんとなく、木の多い場所に行くと落ち着く。
深呼吸したくなる。              
そんな感覚を持ったことがある人は多いのではないでしょうか。
実はその感覚、気のせいではないかもしれません。

東京大学の研究チームによる実験では、木材の香りを感じた人に次のような傾向が見られました。

  • 時間がゆっくり流れているように感じる
  • 心理的な余裕が生まれる
  • 認知的なゆとり(考える余白)が増える

「木の香り=リラックス」というイメージは昔からありますが、
時間の感じ方にまで影響する可能性が示されている点が、近年注目されてきています。




 木の香りは、どのように研究されているのか

では、こうした研究はどのように行われているのでしょうか。

日本では2000年代以降、木材や森林の香りが人の心身に与える影響について、
大学や研究機関を中心に継続的な研究が進められてきました。

「木質空間にいると、人はどう変化するのか」。

この素朴な問いを、科学的に確かめようとしています。
実験では、被験者に木材由来の香り成分を含む空間で一定時間過ごしてもらって、
次のようなデータが測定されます。

  • 心拍変動(自律神経の働き)
  • ストレスホルモン量
  • 心理状態の変化
  • 主観的な時間の感じ方

「体と心がどれくらいリラックスしているか」を客観的に調べているということです。

その結果、木の香りに触れた環境では

  • 副交感神経(リラックス時に働く神経)が活発になる
  • ストレス反応が低下する

という傾向が確認されています。

そして興味深いのが、このリラックス状態が“時間の感じ方”にも関係している可能性です。
人は忙しさや緊張が強いと時間を短く感じ、安心していると同じ時間をゆったりと感じます。

つまり木の香りは時間を変えるというより、私たちの感じ方のほうが変化しているのかもしれません。




時間がゆっくり感じられるという不思議


忙しい毎日の中で、

「もうこんな時間?」
「今日もあっという間だった」

そう感じることはありませんか。

時間に追われているとき、私たちの意識は常に次へ次へと向かっています。
木の香りは、そんな“急ぎ続ける感覚”に、そっとブレーキをかけてくれる存在なのかもしれません。

香りは嗅覚を通じて脳の深い部分に直接届くと言われています。
だからこそ、意識しなくても気分が変わる。

気づけば呼吸が深くなっている——
そんな経験につながっている可能性があります。



自然素材がもたらす、目に見えない豊かさ


木の香りは、人工的な香りのように強く主張しません。
けれど、ふとした瞬間に感じる安心感があります。
派手ではないけれど、確かにそこにある心地よさ。
その“さりげなさ”が、私たちの感覚に静かに作用しているのかもしれません。

  • 時間がゆっくり流れるように感じる
  • 心に余白が生まれる
  • 気持ちが整う

こうした変化は、特別な装置や最新技術ではなく、
自然そのものが持つ力から生まれているように思えます。




木の香りが時間感覚に影響するという研究は、まだ発展途中です。
それでも、昔から人が木に惹かれてきた理由を考えると、どこか納得できます。

木は単なる建材というだけでなく、
そこにいる人の感じ方や過ごし方にも影響を与える素材だと考えられています。

科学的な研究によって、その理由が少しずつ明らかになりつつあり、
自然素材の価値が改めて見直され始めています。

 

木の香りが時間の感じ方に影響する。
こうした研究は、自然素材が私たちの暮らしに与えている影響を、改めて考えるきっかけになるのかもしれませんね。