森・木・材木 2025.07.29
ごはんの支度中、生肉を切った後のまな板。
サッと洗って拭き取ったつもりでも、どこか気になるものです。
そんなキッチンでこそ力を発揮するのが、無垢の木材。
意外かもしれませんが、木には天然の抗菌性があり、特に大腸菌を抑える働きが期待されています。

大腸菌って、どんな菌?
大腸菌は私たちの腸内にもいる常在菌ですが、
普段は無害な株(例:大腸菌K-12株)
食中毒を引き起こす病原性株(例:O157株)
のように、多くの種類があります。
とくにO157などの有害株は、食材の扱い方次第で増殖しやすく、家庭のキッチンを危険にさらすことも。
だからこそ、「菌が残りにくい素材」を選ぶことは大切なんです。
実験でわかった!木のまな板 vs プラスチックまな板
ある実験(北海道立総合研究機構 2018年)では、
ヒノキとスギの無垢まな板、そして一般的なプラスチックまな板に同量の大腸菌O157を塗布。
| 素材 | 接種後0時間の菌数 | 接種後6時間の菌数 |
|---|---|---|
| ヒノキ無垢まな板 | 1,000,000 CFU | 50,000 CFU |
| スギ無垢まな板 | 1,000,000 CFU | 80,000 CFU |
| プラスチック板 | 1,000,000 CFU | 1,200,000 CFU |
木のまな板:数時間で90%以上の菌が減少
プラスチック板:むしろ菌が20%増加
この差は、木が放つフィトンチッド(セスキテルペン類など)や、表面の微細な凹凸が菌の付着・生育を阻むためと考えられています。

メンテナンスもシンプルに
「木のまな板はカビが心配」という声もありますが、
使ったらすぐ洗う
水気を拭き取り、風通しのよい場所で乾かす
表面が傷んだら薄く削る
といった基本の手入れだけで、抗菌性を長く保てます。
合板や樹脂製品にはない“リセット可能”な安心感ですね。
キッチン以外でも、無垢材フローリングや家具を使うと…
ペットや子どもが触れる床面でも菌が増えにくい
高齢の家族が過ごすリビングで、清潔な肌触りをキープ
化学塗料を使わず、シックハウスの心配も少ない
といったメリットがあります。
抗菌剤を塗るのではなく、素材そのものがもつ力で守られる安心感。
それは見えないけれど、確かに“暮らしのバリア”になっています。

大腸菌(O157など)の増殖を抑制する実験データあり(北海道立総合研究機構 2018年ほか)。
フィトンチッドや表面構造が、菌の生存環境を悪化させる。
シンプルな手入れで長期間、抗菌性を維持可能。
キッチンはもちろん、床材・家具にも応用できる。
自然の力を生かした住まいは、
「見た目の美しさ」だけでなく、家族の健康もそっと支えてくれますよ。