これまでブログで、木には湿度を調整する力、
香りが自律神経を整えてリラックスさせる効果があること、
またダニなどの虫を寄せ付けないことなどを紹介してきました。
今回は、
木に触れることで心や体にもたらす、リラックス効果についてご紹介します。
寒い時期に鉄やタイルなどを触ると、ヒヤッとしますよね。
昔はお風呂の床がタイル張りなのは一般的でしたが、あのひんやりした触感は苦手でした。
木の場合、樹種により暖かさは違いますが、ほかの素材と比較すると、触ったときにあたたかかく感じると思います。
では、木に触れた時に体にはどんな変化が起こっているのでしょうか。
目を閉じた状態で、木やタイルなどの素材に手を置くという実験が行われました。
90秒間、木材などに手を載せて、脳活動及び自律神経活土嚢計測を行ったところ、
木材は、大理石、タイル、ステンレスと比べて、左右前頭前野の酸素化ヘモグロビン濃度を低下させること、
大理石およびステンレスと比べ、副交感神経活動の指標である 、ln(HF) を上昇させることがわかりました。
つまり、木材に触れることは、他素材と比較すると、
脳前頭前野活動の鎮静化と副交感神経活動の亢進をもたらして、
人を生理的にリラックスさせることが明らかとなりました。
※図表 木材への接触が人にもたらす生理的リラックス効果 森林総合研究所資料参考
目に見えてわからない木の持つ力は、「そんな気がする」「人の感じ方」と思われがちですが、これらの科学的データが知られることで、木材の本来の価値が再認識されると嬉しいなと思います。