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森・木・材木 2023.02.27

杉の空気浄化能力は?

皆さんは、杉とヒノキ、どちらの方が好きですか?

なんとなくですが、「高級感がある」「香りがいい」など、ヒノキの方が人気があって、
杉は花粉症の原因になるので、あまり人気がないように思います。

「桧は強いと聞きますが、杉と比べてどうですか?」と聞かれることもあり、
いまいち杉の良さが知られていないからなのかも・・・


△杉の床材:イシモクオーナー様邸



イシモクの家づくりには欠かせない杉。
少しでも杉のことを知ってもらえればと思います。
ブログでちょこちょこ、杉の良さについて紹介していきます。

今回は、杉の空気浄化能力についてです。





🔸
杉の学名はクリプトメリアジャポニカ


空気浄化能力の前に、杉について少しだけ。

杉(スギ)はCryptomeria japonicaという学名がついている通り、日本固有の針葉樹です。
日本でも最も多く植林されています。
静岡県には日本人工三大美林のひとつ、天竜スギがありますね。
見渡すと山には杉、本当に身近な樹種です。


🔸杉の空気浄化能力

杉には、二酸化窒素(大気汚染物質)やホルムアルデヒドなどの有害物質を浄化する効果があることがわかっています。
杉には、水分や養分をポンプのように吸い上げる「仮道管」の空隙が多いため、同じ針葉樹であるヒノキよりも杉の方が、有害物質を吸着する力が優れています。
特に効果的なのがNO2(二酸化窒素)に有効的で、外気よりも70~90%の量を減少させます。

奈良東大寺正倉院の宝物殿はヒノキで、宝物箱は杉で造られているのですが、
1250年もの間、品物の保存状態が良かったのは、この杉の浄化能力にあると証明されています。


     杉板を内装にした時の室内のNO2 濃度シミレーション



『換気がなく、室内にNO2発生源のない場合、室内の一面、例えば、天井1面をスギ板で内装すれば、
初期 NO2濃度が 1,000 ppb の場合は6時間で、
また、6面全部を内装すれば、1時間でほぼ室内のNO2が浄化されることになる。

スギ板は、屋内(閉鎖系空間)で用いられる限り優れた浄化能力を発揮する。

スギ材表面における二酸化窒素の浄化評価関数 レポート 大阪府環境情報センター環境科学室調査課 より』


杉の空気浄化能力、すごいですね。
ちなみに、樹種のNO2(二酸化窒素)浄化能力を比較すると、以下の図の通り。
ダントツで杉!でした。※数値が高い方が浄化量が多い・浄化能力が高い




また次回。