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木育・自然と暮らし 2022.08.26

乾燥するとなぜ強度が上がるの?

家づくりや、家具などに使う時、木材を乾燥させてから使用します。

なぜ乾燥させた材を使うのでしょうか?
また木材を乾燥させるとなぜ強くなるのか?
その理由を知っていますか?
 
 
なぜ、乾燥させた木材を使うの?
 
木材は水分を大量に含む材料です。
放っておくと緩やかに自然に乾燥していきますが、その際に木材の収縮、寸法の狂い、反り等が発生します。
乾燥した木材は、未乾燥材に比べ強度や性能も上がり、寸法の狂いの無い、安定した製品となるのです。
 
木材は乾燥することで強度が高まったり、ツヤが出たり、香りがあったりの長所が初めて発揮されるのです。




乾燥させると木材はなぜ強くなる?
 
身近なものでイメージしてみましょう。
新鮮な大根があります。
真っ白で色つやが良く、丸々と肥えた大根の両端を持って曲げてみてください。
おそらく簡単にパキっと割れてしまいます。
 
 
新鮮な大根を1ヶ月ほど外で乾燥します。
新鮮な大根と比べると見た目にも大きな差があります。
 
表面はシワシワ。
大きさもほぼ半分くらいになり、重さも水分がとんでいるので、3分の1くらいまで軽くなっているはずです。
 
では、この大根も先ほどの新鮮な大根と同じ様に、両端を持って曲げてみましょう。
なかなか折れないか、全く折れずにしなるだけだと思います。

 
大根の場合は乾燥させるとシワシワになりましたが、木の場合は乾燥すればするほど割れてきます。
これは、大根や木の水分が抜けているからです。


ちょっとややこしい話になりますが、
木に含まれている水分には自由水と結合水と呼ばれる2種類の水分が存在します。


自由水と呼ばれ、細胞の中や細胞と細胞の間などに液状で含まれている水分で、
重量の増減以外はあまり木材の性質に影響を及ぼしません。
もう一つは結合水と呼ばれるもので、木材細胞壁の木材繊維などと化学的に結合している水分で、
木材の膨張・収縮あるいは強度特性に大きく影響します。

乾燥する際は、自由水から、その後結合水が抜けていきます。
結合水が抜けていくと繊維間の結合が強くなるため、木の強度が向上するのだそうです。


材の性質は水分により大きく影響を受けるわけです。
しっかりと乾燥した木材を使用することで家も家具も、長く使えるものを作ることができるんですね。