家づくりや、家具などに使う時、木材を乾燥させてから使用します。
なぜ乾燥させた材を使うのでしょうか?
また木材を乾燥させるとなぜ強くなるのか?
その理由を知っていますか?
なぜ、乾燥させた木材を使うの?
木材は水分を大量に含む材料です。
放っておくと緩やかに自然に乾燥していきますが、その際に木材の収縮、寸法の狂い、反り等が発生します。
乾燥した木材は、未乾燥材に比べ強度や性能も上がり、寸法の狂いの無い、安定した製品となるのです。
木材は乾燥することで強度が高まったり、ツヤが出たり、香りがあったりの長所が初めて発揮されるのです。
乾燥させると木材はなぜ強くなる?
身近なものでイメージしてみましょう。
新鮮な大根があります。
真っ白で色つやが良く、丸々と肥えた大根の両端を持って曲げてみてください。
おそらく簡単にパキっと割れてしまいます。
新鮮な大根を1ヶ月ほど外で乾燥します。
新鮮な大根と比べると見た目にも大きな差があります。
表面はシワシワ。
大きさもほぼ半分くらいになり、重さも水分がとんでいるので、3分の1くらいまで軽くなっているはずです。
では、この大根も先ほどの新鮮な大根と同じ様に、両端を持って曲げてみましょう。
なかなか折れないか、全く折れずにしなるだけだと思います。
大根の場合は乾燥させるとシワシワになりましたが、木の場合は乾燥すればするほど割れてきます。
これは、大根や木の水分が抜けているからです。
ちょっとややこしい話になりますが、
木に含まれている水分には自由水と結合水と呼ばれる2種類の水分が存在します。
自由水と呼ばれ、細胞の中や細胞と細胞の間などに液状で含まれている水分で、
重量の増減以外はあまり木材の性質に影響を及ぼしません。
もう一つは結合水と呼ばれるもので、木材細胞壁の木材繊維などと化学的に結合している水分で、
木材の膨張・収縮あるいは強度特性に大きく影響します。
乾燥する際は、自由水から、その後結合水が抜けていきます。
結合水が抜けていくと繊維間の結合が強くなるため、木の強度が向上するのだそうです。
材の性質は水分により大きく影響を受けるわけです。
しっかりと乾燥した木材を使用することで家も家具も、長く使えるものを作ることができるんですね。