じりじりと日差しの強い季節になってきました。
日向と木陰では、木陰の方が涼しいく感じますが、実は、日向も木陰も気温は変わらないそうなのです。
△夏のイシモク体験館
体感温度は気温だけではなく、湿気、日差し、風、洋服の量、運動量などが総合的に重なって感じるもの。
木陰は夏の強い日差しを遮り、人に直接あたる日射しを減らしてくれます。
また、路面に日陰を作り、路面の温度が高くなるのも防いでくれます。
葉は温度が上がり過ぎないよう根から水を吸い上げ、その水分を葉から蒸散させることで水分が空気中に放出し、
周辺の外気温を下げてくれます(蒸散作用)。
また、樹木の日陰には下降気流ができ、
冷やされた空気が地面に降りて、涼風になります。
環境省の試算では、木陰によって日射の約8割、赤外放射の約6割が減少し、その結果、
体感温度がなんと約6℃も下がると言われています。
テント等の日よけよりも木陰の方が涼しいのは、葉っぱが熱を逃がしていたからなんですね。
△パッシブデザイン 太陽光の入る角度を計算したもの
ちなみに、家づくりの際によく聞く『パッシブデザイン』※は、そういった木の持つ木の力、自然の力を利用できるように、建築的な工夫をこらすことで快適な住まいをつくる設計の考え方です。
※パッシブデザイン(passive design)とは、 建物を取り巻く自然環境の特性を活かし、室内を快適にするための設計手法。
自然環境は季節ごと、地域ごとに異なる。木の持つ力は、家造りにも大いに役立ちます。
科学の力、文明の利器はもちろん素晴らしいのですが、自然の保つ力も侮れませんよ。
ぜひ暑い日は、木陰に入って、木の持つ力を体験してみて下さい。